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垣内 一雄; 宇田川 豊; 山内 紹裕*
JAEA-Research 2022-001, 21 Pages, 2022/06
冷却材喪失事故(LOCA)時想定される被覆管脆化の主たる要因は、高温酸化に伴う金属層中酸素濃度の増大とこれに起因する微細組織の変化である。被覆管が破裂した場合には、燃料棒内に侵入した水蒸気によって生じる被覆管内面の酸化及びこれに伴う燃料棒内水素分圧の上昇の結果、破裂開口部からやや離れた軸方向位置で局所的な水素吸収が起こり(二次水素化)、二次水素化部では水素脆化による延性低下も重畳する。これら微細組織の変化がLOCA条件下における燃料棒の機械特性に及ぼす影響をより詳細かつ定量的に把握するため、LOCA模擬試験後試料の破裂開口部及び二次水素化部の延性評価にナノインデンテーション法を適用した。硬さやヤング率に加えて、押込み荷重-変位曲線から算出される塑性仕事割合を評価したところ、二次水素化部の金属層(prior-相)における塑性仕事割合は、被覆管外周のZrO層と-Zr(O)層に近い水準であり、破裂開口部に比べて酸素濃度が低いにもかかわらず、水素の影響により有意に延性が低下していることが示唆された。
垣内 一雄; 山内 紹裕*
no journal, ,
安全研究センター燃料安全研究グループで実施している研究の一環として、ナノインデンテーション法を用いた燃料被覆管の機械特性評価に関する取り組みを紹介する。